日々の名残り~The Remains of the Days~

身近な損害賠償の例〜食中毒の場合〜

今週前半は雨続きのようですね。
週末に控えた「大曲の花火」は晴れることを願います。
本日は、身近なトラブルで実際に支払われた損害賠償額とその内容についてです。(シリーズ化を狙っています。)
今日は食中毒と損害賠償のケースです。
毎年、保健所に届け出される食中毒の件数はここ10年ほど1,000~1,500件程度で推移しているそうです。
今の時期は特に食品が傷みやすい時期ですので、飲食店の方は細心の注意を払っているものの免れないケースも多々あると思います。
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例えば、居酒屋での食事の際、刺身を食べた人だけが翌日嘔吐や下痢を起こし入院を余儀なくされた場合。
料理を出した居酒屋に対して、安全な料理提供をする義務に違反する債務不履行(民法415条)不法行為(709条)または製造物責任(製造物責任法)を根拠にして、損害賠償を請求できます
この場合、治療費、入院費、休業損失、交通費、慰謝料などの損害賠償請求が可能になります。
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因果関係の立証がカギを握ります。
実は食中毒の賠償請求は大変困難が伴います。
このケースで一番重要なのは食中毒と飲食店との因果関係があることを証明する必要があります。
したがって、飲食店側が因果関係を否定しても例えば保健所が介入して食中毒の原因が飲食店の提供した飲食物に含まれた細菌であると特定することができれば賠償請求が可能になります。
そうでない場合は、被害者が自ら立証しなければいけません。
・飲食から発症までの時間
・同じものを食べた人に同じ症状が出ている。
・医師による病原体の特定
といった立証が必要になります。

因果関係が認められた場合、債務不履行、不法行為で損害賠償を請求するためには飲食店に過失がある事が必要になります。
例えば、十分な安全管理を行っていなかったなどの過失(不注意などによるしくじり)がある事が必要になります。
十分な過失が認められない場合は、責任追及ができません。
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飲食物と製造物責任の関係
債務不履行、不法行為に比べて製造物責任は、過失の有無を問いません
ただし、製造または加工されていることが条件となります。
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実際の判例として、複数の顧客が料亭でイシガキダイの刺身を食べたところ、魚に含まれていたシガテラ毒素が原因で食中毒を起こしたケースがありました。
この判例では、調理されたイシガキダイ料理を食べ、シガテラ毒素を原因とする食中毒が発生した場合に、刺身として加工されたとみなされ、製造物責任法の加工に当たるとして、料亭経営者らの責任が認められた事案です。
請求額として・・・・・計742万円(被害者の中で、25日間休業した最も高額請求者の者で慰謝料500万円)
認容金額(請求に対して裁判所が認めた金額)金額・・・308万円(うち休業損害など158万円、慰謝料150万円)

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食中毒は店側にしてもかなりの損害です。
損害賠償はもちろん、その後の店の経営にも大きく影響が出ます。
下手したら、店を畳むことになるかもしれません。
・食中毒・特定感染症補償
・休業補償
・被害者治療費等補償
・生産物補償
がついた保険には加入していたほうが得策だと思います。
必要経費として準備できるので対策をされていない方は考えてみてはいかがでしょうか?

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